大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(オ)1017 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人川本赳夫の上告理由(追加上告理由とも)について。

本訴は被上告人と第一審相被告Dとの共同振出にかゝる判示二通の約束手形金の

請求でありこれに対する被上告人の抗弁は(1)上告人振出の判示約束手形が昭和

二九年八月二九日に支払われない場合には被上告人は本件手形支払の責を負わない

旨の特約のもとに本件手形は振出されたものである(2)本件手形は上告人の詐欺

により振出されたものであるというのであることは原審で当事者双方により陳述さ

れた第一審判決事実摘示により明らかである。これに対し原審は本件手形の振出は

当事者間に争なく、右特約の存在を認めかつ上告人が昭和二九年八月二九日約旨に

従つた上告人振出の右約束手形金の支払をしなかつたことを理由にその請求を排斥

しているものであること判文上明らかである。所論第四点(上告理由書、追加上告

理由書とも)摘示の趣旨の記載されている準備書面が原審で陳述されていることは

記録上窺われるが、右陳述内容は要するに第一審の証拠の取捨、認定判断に対する

非難にすぎず、原判決理由中において特に判断を明示する必要のある事項というを

得ないのみならず、原判決の証拠の取捨、判断によりおのずからその判断は理解す

ることができるから原判決は理由に欠けるところはない。また、原判決挙示の証拠

によれば原審の事実認定は優にこれを首肯することができ、右認定に経験則違背の

違法ありとはいゝ得ない。所論はすべて原審の専権に属する証拠の取捨選択ないし

は事実認定に対する非難に帰着し、採用に値しない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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